海 東京 さよなら / 木下美紗都

海 東京 さよなら
先日、東京で2番目に住んだ部屋(杉並区)の近所に立ち寄る機会がありまして、築30年以上のアパートですが、変わらぬ佇まいでそこにあるのを見つけて、少し記憶の埃を払った感じ。窓際に腰掛けて、小学生が帰るのや、豆腐屋さんが回ってくるのを眺めていたっけ。「揺れる洗濯物がきれいだ」とか、「息づかいのように膨らんだりしぼんだりするカーテンがきれいだ」とかそういうことを発見した、風のよく通る部屋でした。
この部屋を思い出すおんがくが好きです。